糸作り(いとづくり)                                                  蚕の繭から生糸になるまでの製糸工程の概略は、繭を煮て繭糸を引き出し、数本引き揃えて生糸とします。
撚り(ヨリ)をかけるのは、糸の強さを増すとともに、糸の毛羽防ぎ、艶を出す(光沢)効果が有る。 
ネクタイの通常の縦糸には、7本引き揃えた「21中(2・1・ナカ)」の生糸を1mにつき850回の撚りをかけ、さらにそれを2本合わせ逆方向に1m当り750回の撚りをかけたもの『21中2本双糸(2・1・ナカ・2本・ソウシ)』が使われる。又、緯糸には「21中3本片(ヘン)」と呼ばれる7本引き揃えた糸を3本合わせ1mにつき150〜200回の撚りをかけたものか、『27中2本片』あるいは『27中3本片』と呼ばれ、9本の生糸を引き揃えた糸を、2〜3本合わせて150〜200回の撚りをかけたものが用いられている。
絹糸の出来るまで   
         ◇◇◇ 生糸の製糸工程 ◇◇◇

揚返し

蚕の繭を煮て、繭糸を引き出し、数本引き揃えて生糸(原糸と呼ぶ)になるが、この段階では、織糸として用いることが出来ず、原糸に撚り<ヨリ>がかけられ、さらに、糸染めが施されて初めて織糸として使える様になる。

乾 繭 

文字どおり蚕の繭を乾燥させて水分を取る。これは繭を保存できる状態する為。

選 繭 

繭の品質を一定にする。色沢や形態別に選別し、不良繭は取り除く。

煮 繭(しゃせん)

 

繭を90〜100゜C内外の熱湯にて10分程度煮る。                   にわか質のセンシリンを適度に溶解軟化させて、糸口を見つけ易くするもの。

索 緒(さくちょ)

煮た繭から、糸口を探して引き出す。

繰 糸(そうし)

1本の繭糸では細すぎて実用に適さないので数個の繭から同時に数本(ネクタイ用には、経糸7本・緯糸9本が一般的)を引き揃えて1本の生糸として巻取る。この段階で初めて生糸となったわけだ。

揚返し  

繰り枠に巻取った生糸を太枠に巻き返す。

(かつ)

生糸のかさの形状を維持しながら、取扱い易くする為に結束する。

原 糸

結束した生糸を包装し、註文先に出荷される。

絹糸の種類

絹糸とは絹を原料とする糸の総称であり、原則的にはフィラメント糸(長繊維糸)に属し、一部スパン糸(紡績糸)の仲間のものもある。

☆生糸(きいと)=フィラメント糸
いわゆる蚕の繭からとった糸で、数本を合わせたもの。撚りも加えず、精練しないものを指す。
☆練糸(ねりいと)=フィラメント糸
生糸を精練してセシリンを取り除いたもの。絹練糸とか絹糸ともいわれる。
☆玉糸(たまいと)=フィラメント糸
普通1匹の蚕は1個の繭を作るが、なかには2匹以上で1個の繭を作ることがある。これを玉繭といい、その糸を、玉糸という。製糸の際に2本の糸がもつれ合うので節の多い糸となるので、節糸とも呼ばれる。
☆絹紡糸(けんぼうし)=スパン糸
繭から生糸をとる時に出る色々なくず繊維を副蚕糸といい、これを原料として紡績した糸のこと。
☆絹紡紬糸(けんぼうちゅうし)=スパン糸
絹紡糸を作る時に出るくず繊維から紡績をした糸をいう。ビス糸とも呼ばれる。
☆紬糸(つむぎいと)=スパン糸
くず繭からとった真綿(まわた)を手で紡いだもの。

              糸の太さ
糸の太さを表わす単位は、基本的にデニール・番手・テックスの3種類で、糸の長さと重さの関係によって算出・表示される。 
 『太さを、デニール=フィラメント糸/番手=紡績糸』   
デニール
生糸独特の呼称
デニール=恒長式(一定の長さに対して、重さが幾らかで糸の太さを表わす)         1デニールとは、9000mの長さで1gの重さの糸の事と決められており、数値が大きくなれば、太くなる。
繭糸は、天然のものであり種類や同じ繭でも太さが違うので、生糸全長に均一のものを作ることは不可能に近い為、その上下に多少の幅を認めている。例えば21デニールを中心とするものは『21中(2・1・なか)』と呼ぶ。繭糸の太さは平均3デニール。21デニールの生糸は7粒の繭糸からできている。これは生糸独特の呼び方であり、化学繊維のフィラメント糸は均一の糸が出来るのでこうした呼び方はしない。

番手=恒重式
同じ重さで長さが2倍になれば、番手も2倍になる。番手の数値が大きくなれば、糸の太さは細くなる。
 番手=(一定の重さに対して、長さが幾らかで糸の太さを表わす

綿番手
綿糸1ポンド(約453.6Kg)で長さが840ヤード(約768.1m)あるものを1番手とする」と決められている。

毛番手
1000gで1000mあるものをあるものを1番手とする」と決められている。          共通式番手あるいはメートル番手と呼ばれる。

麻番手
1ポンドで300mあるものを1番手とする」と決められている。

テックス=恒長式
1テックスとは、1000mの長さで1g の重さの糸と、決められている。         デニール同様、数値が大きくなればなるほど糸は太くなる。
ヌ参照=糸染め

 

前の頁に戻る次の項目へ進む